社長に聞く、 未来への10の質問
建機レンタル事業を取り巻く環境やカナモトの現状をどう捉え、カナモトの未来をどう描いているのか? 社長に10の質問に答えてもらいました。
建機レンタル事業を取り巻く環境やカナモトの現状をどう捉え、カナモトの未来をどう描いているのか? 社長に10の質問に答えてもらいました。
※掲載内容は、インタビュー当時のものです。
建機レンタル事業を
取り巻く事業環境について
教えてください。
建機レンタル事業に最も影響を与える建設投資の動向を見ますと、直近1年で70兆円の建設投資が見込まれています。これは過去最も建設投資が盛んだった90年代初頭の80兆円に迫るほどの数字です。実際、防災対策に向けた国土強靭化、都市の再開発、半導体工場の大型投資、安全保障に資する国防への投資など、高いレベルで建設投資が推進されており、足元では底堅く推移すると考えています。
そんななか、
建機レンタル事業には
どんな変化が
求められるでしょう?
建設業界の喫緊の課題は人手不足。その解決に資する建機の供給が求められています。そこでカナモトではIoT・ICTを活用した機器、遠隔操縦機器などをラインナップ。また、環境対応の社会的要請のなか、排出ガス規制に則った機種やEV建機など環境対応機器の購入にも積極的に取り組んでいます。もう一つの大きな変化は、新設から整備・補修への需要シフト。そんななか補修工事の増加に対応するための機器のラインナップ、メンテナンス体制を整え、インフラ長寿命化に向けた新製品・新技術の開発・導入にも力を入れています。
社会における建機レンタル事業の
存在意義をどう捉えていますか?
建機レンタル事業がこの世に登場してから、まだ50年ほど。建設会社が自ら建機に投資し、保有・維持することが困難になっていくなかで、その部分を私たちが担うようになり徐々に存在感を増してきました。そして大きく認知されたのは、2011年の東日本大震災時。復旧が急がれるなか、一度に大量の建機を調達することは、私たち建機レンタル会社でしか成し得ないことでした。その後の5年間でカナモトの売上、総資産は倍増。建機レンタル事業はいまや重要な社会インフラの一つであり、私たちがいなければ現場は成り立たないという誇りを持っています。
カナモトの未来へ向けた
経営戦略とは?
三つの戦略を掲げています。一つ目は、「国内の営業基盤のさらなる拡充」。北海道から東北では確固たる営業基盤を確立していますが、東京以西には相当な成長余地があります。二つ目は、「海外展開の強化」。日本の人口減少に伴う建設事業の規模縮小という長期的趨勢のなか、新たな成長を目指すために、今後も海外展開を強化していきます。三つ目は「内部オペレーションの最適化」。システムを刷新し、グループ内の資産を一元管理することで、資産の高効率化を図っています。これによりレンタル機の稼働率向上はもちろん、適正な投資計画の判断などにもつなげていきます。
海外戦略について
もう少し詳しく教えてください。
第一に、現在事業展開している中国、ASEAN、オーストラリアのアフターコロナ需要をしっかり取り込んで基盤固めをすること。その次にどのエリアに進出するか、変化する世界経済の動向をにらみながら、戦略を立て実行していく考えです。カナモトが日本国内で培ってきた、徹底してお客さまに寄り添う事業スタイルは、海外では見られないだけに、海外のお客さまにも大きく評価されるはずです。
同業他社と差別化するための、
カナモトならではの価値とは?
「人」を重視する会社であり続けていることこそが、カナモトの強み。当社は全国で事業を展開していますが、エリアごとにその立ち位置もお客さまの特性も異なります。そんななか、各エリアのお客さまに合わせて最適なソリューションの提供を実現できているのは、各エリアで働く社員たちが自主性を発揮し、かつ独自に工夫して、仕事に取り組むことができる環境があるから。一人ひとりの「人」の考えや価値観を重視するカナモトの社風こそが、同業他社との差別化につながっています。
カナモトが目指している
未来のあり方とは?
建機に関するあらゆる商材やソリューションがラインナップされていて、お客さまがカナモトに来てくれたら、すべてのニーズを満たせて、課題解決もできる。つまり、専門店がいくつも集まって巨大なレンタルモールを形成するイメージです。その先にあるカナモトのあり方は、本当の意味での、「ゼネラルレンタルカンパニー」です。
カナモトの事業は今後、
どう面白くなっていくと
お考えでしょう?
「ゼネラルレンタルカンパニー」になるために、高品質な建機を供給するだけなく、お客さまに対して、「もっと効率的な建機の使い方がある」「こういう工法がある」「こうしたら工事が楽になる」……など、いろんな提案や情報をプラスアルファして、お客さまの事業により大きく貢献していこうと考えています。目指しているのは、お客さまのビジネスパートナーであり、「建設のトータルソリューション企業」。そのフィールドは国内だけでなく、海外へも広がっていきます。それに伴い、当社の社員の仕事はますます面白く、やりがいも大きくなっていきます。
これからのカナモトに
求められる人材とは?
ゼネラルレンタルカンパニー実現に向けて、事業の幅も業務の幅も飛躍的に広がっていくなか、根幹の建機レンタルを担う営業や技術はもちろん、開発、企画、コンサルティング、新たな仕組みの運用……など、多様な人材が必要となります。ただ、入社時点では誰しも自分がどんな業務に向いているかはわからないと思います。入社後、いろんな経験を積んでいくなかで自らが気づきを得て、目の前に大きく広がる選択肢のなかから、自分の道を選び取っていってほしいと思っています。
建機レンタル業界の
未来について
どうお考えですか?
現在、建設会社ー建機レンタル会社をネットでつないで効率的な受発注を行うなど、業界全体で連携していく取り組みが少しずつ広がっています。しかしそこで建機レンタル各社がいろんな取り組みをバラバラにやっていては大きな効果は見込めません。そんななか私が構想しているのは、市場のデファクトスタンダードを確立することです。当社を含む大手4社がリードしてまずデファクトスタンダードをつくり、業界全体をより良い方向へ導いていければと考えています。